Excelファイルを開いたとき、すべてのシートでA1セルを選択した状態にしておきたい場面は少なくありません。
特に、複数のシートを含む帳票やテンプレートを扱う場合、初期表示位置を統一することで、閲覧性や操作性が向上します。
この記事では、VBAを使ってすべてのワークシートでA1セルを選択する方法をご紹介します。
1.やりたいこと
以下のように、すべてのシートでA1を選択させます。

2.使用するVBAコード
以下のコードを実行することで、すべてのシートでセルA1が選択された状態になります。
Sub SelectA1ForAllSheets()
Dim ws As Worksheet
For Each ws In Worksheets
ws.Activate
ws.Range("A1").Select
ActiveWindow.Zoom = 100
Next ws
End Subこのマクロは、すべてのワークシートを順番にアクティブにし、A1セルを選択する処理を行います。
また、各シートの倍率も100に統一します。
For Eachループを使うことで、シート数に関係なく対応できます。
2-1.スクリプトの解説
Dim ws As Worksheet:ループ処理用の変数を定義します。For Each ws In Worksheets:すべてのワークシートを対象に処理を繰り返します。ws.Activate:対象のシートをアクティブにします。ws.Range("A1").Select:A1セルを選択します。ActiveWindow.Zoom = 100:倍率を100にします。
最後の倍率の調整は不要であれば消しても問題ありません。
3.実行結果の確認
マクロを実行すると、すべてのシートでA1セルが選択された状態になります。
特定のセルにスクロールされていた状態がリセットされるので、エクセルを清書したり納品したりするときに利用できます。
4.応用ポイント
今回紹介したコードは、以下の場面でも応用できます。
- シートごとに特定のセルを選択したい場合(例:
B2やC5など) - 特定の条件に合致するシートのみ処理したい場合(例:名前に「集計」が含まれるシート)
- シートの表示倍率(Zoom)を統一したい場合
また、マクロをショートカットキーに登録して簡単に実行させることでとても使い勝手がよくなります。
4-1. ショートカットキーでマクロを実行する方法
このマクロを頻繁に使う場合は、ショートカットキーを割り当てることで、より効率的に操作できます。
- Excelで「開発」タブを開く
- 「マクロ」ボタンをクリックし、該当マクロ(例:
SelectA1ForAllSheets)を選択 - 「オプション」ボタンをクリック
- 任意のショートカットキー(例:
Ctrl + E)を設定 - 「OK」で保存
これで、設定したキーを押すだけでマクロが即座に実行されるようになります。
業務で繰り返し使う処理には、ショートカットの活用が非常に効果的です。
5.まとめ
今回紹介したコードは、すべてのシートでA1セルを選択であり、利用する機会はあまり多くないかもですが、知っておくと便利なコードです。
少しでも日々の業務や作業の効率化の助けに慣れると嬉しいです。


