クォータとはサブスクリプションにおける利用リソースの制限値のことで、パブリックIPアドレスの数やvCPUの数などに対して制限がかけられています。
そのクォータの中でも、仮想マシンのvCPU数は各VMファミリごとに設けられており最も制限に引っ掛かりやすいと思います。
例えば、Aシリーズは初期値は10vCPUとなっています。
ヘルプとサポートからでも申請は可能ですが、[サブスクリプション]から簡単にクォータ上限を引き上げ申請が可能ですので今回はその手順を紹介したいと思います。
[サブスクリプション]から申請する手順
①[使用量+クォータ]をクリック
[サブスクリプション]のTOPページから[使用量+クォータ]をクリックします。
②引き上げしたいクォータ項目を選択
引き上げしたいクォータの項目にチェックを入れて[Request quota increase]をクリックしてプルダウンを表示させ[Enter a new limit]をクリックします。
※今回はBasicAファミリの上限値をあげます。
③上限値を入力
[クォータの増加を要求]というポップアップが出てきますので引き上げたい上限値を入力して[送信]をクリックします。
④リクエストの確認の通知を受領
リクエストを確認している旨通知が来ますので少し待ちます。
⑤リクエストの完了通知の受領
少し待ち、上限の増加が完了した旨の通知が来たら完了です。
※今回は2分くらいで完了しました。
念のため、今回上限引き上げを申請したBasicAファミリの上限値が15となっていることも確認しておきます。
クォータ引き上げができなかった場合
ちなみにクォータ引き上げができない場合には以下のような表示となります。
今回は[East US]の[Standard GS ファミリ]を0→64に引き上げる申請をしてみました。
この場合、表示されている[Create support requests]をクリックすることでその場でサポートリクエストの画面が開きますのでそちらからリクエストをあげることが可能です。
とはいっても、そのリージョンの容量が不足しているために上限引き上げができない状態かと思いますので、サポートリクエストで申請しても断られる可能性が高いと思います。
そうなると容量が増えるまで待つしかないと思います。
[参考]クォータ上限値の確認方法(AzureCLI)
AzureCLIを利用して、以下のコマンドを実行することでクォータの上限値を確認することができます。
引数としてリージョンを指定する必要があるので各リージョンごとでしか確認できません。
#East USのクォータ上限を確認する
az vm list-usage --location "Japan East" -o table
もし、すべてのリージョンの上限値を一度に表示したい場合には以下のコマンドを実行すると表示できます。
ただし、すべての表示が完了するまでには時間がかかりますので、確認したいリージョンだけを確認するほうが良いと思います。
#すべてのリージョン情報を取得
$location = az account list-locations | ConvertFrom-Json
#リージョン数を変数に格納
$l_number = $location.Count
#各リージョンの上限値を表示させる
for ($i=0; $i -lt $l_number; $i++){
"Location:" + $location.displayName[$i]
az vm list-usage --location $location.displayName[$i] -o table
}
さいごに
久しぶりにクォータ引き上げ申請をしてみたら、今までヘルプとサポートで少し手間だったものが即時かつ余計なやり取りなく申請でき、すごく楽だったので紹介してみました。
仮想マシンのファミリによっては申請に時間がかかることがあるかもしれませんが、現時点ではこの方法が最も時間もかからないし簡単だなと思います。
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